<アラバ県 名所・観光スポット>

~アラバ県 基本情報~

呼び方:スペイン語でÁlava (アラバ)/バスク語でAraba(アラバ : 発音がほぼ同じで綴りが異なる)

面積:3037㎢(参考:鳥取県の面積3507㎢)

県都:Vitoria(ビトリア)/バスク語でGasteiz(ガステイス)

人口:アラバ県全体で約33万人(そのうち約25万人がビトリアに居住)

名産品や名物料理:リオハ・アラベサのワイン、チャコリ(お酒)、アニャナ塩田の塩、ジャガイモ、コシード・ビトリアーノ(ひよこ豆の煮込み)、Goxua(ゴスア/スイーツの1種)など

◎ビトリア

アラバ県の県都ビトリアは、バスク州の議会が行われたり、州の首長官邸があるなど、バスク州の政治において中心的な役割を果たしています。2012年にはヨーロッパの「グリーン都市」に選ばれたほど緑が豊かです。サンセバスティアンやビルバオに比べるとまだまだ知られていませんが、大聖堂をはじめとする歴史的な建物、博物館や美術館があり、もちろんピンチョスやお酒も楽しめます。バスク地方の「穴場」かもしれませんね。

 

旧市街地(カスコ・ビエホ)は上空から見た形がアーモンドに似ていることから、「中世のアーモンド」と呼ばれています。ビトリアのメイン広場「ビルヘン・ブランカ広場」を起点に、カスコ・ビエホやメイン通り(ダト通り)を歩けば、ビトリアの街の雰囲気を感じてもらえることでしょう。

〈主な見どころ〉

○ビルヘン・ブランカ広場

(Plaza de la Virgen Blanca)

17世紀からビトリアの街の中心部として賑わっています。毎年8月4日から10日まで行われる「ブランカ祭(Fiestas de La Blanca)」の開会式ではこの広場が多くの人で埋め尽くされます。

 

広場の中央にあるのは1813年の「ビトリアの戦い」のモニュメントです。

 

突き当たりにあるサン・ミゲル教会にはバルコニーがあり、上から広場を眺めることができます。こちらの景色も是非お楽しみください。 


 

***「ビトリアの戦い」とは***

一般的に「スペイン独立戦争(1808年~1814年)」として知られる一連の戦いの中で、ビトリアでのフランス軍対連合軍(イギリス、ポルトガル、スペイン)の戦い。1813年6月21日に始まった。当時スペインの王位にあったジョゼフ・ボナパルテ(ナポレオンⅠの兄)を護衛するフランス軍が破れ、この戦いにより、カタルーニャを除くスペインからのフランス軍撤退が決定的なものとなった。この戦いの後、ジョゼフ・ボナパルテに王位を譲っていた(強制的に譲らされていた)フェルナンドⅦに再び王位が戻った。

○ヌエバ広場(またはスペイン広場)

(Plaza Nueva/Plaza de España)

ビルヘン・ブランカ広場と並んで、ビトリアっ子の憩いの場となっているヌエバ広場。周辺にはカフェテリアやバルが多く、テラス席もたくさんあります。ビルヘン・ブランカ広場と繋がっています。

広場は61m×61mの正方形で、イベントの場として使用されることも多いです。

 

建物は一部が市庁舎として使用されており、ここに観光案内所もあります。 


○ダト通りとカミナンテ像

(Calle Dato, El Caminante)

ヌエバ広場から東へまっすぐ伸びている通りがダト通りです。ビトリア駅まで続いています。様々なお店やバルがあり、ビトリアのメインストリートとして賑わっています。

 

カミナンテ像はこの通りの途中(ヌエバ広場から歩いて行くと左側)にあります。高さが3.5mの痩せた男性の銅像です。歩いてビトリアに辿り着いて、その後この地を気に入って住みついたある男性を表しているそうです。ビトリアの街のシンボルとなっており、行事に合わせて服を着せてもらったりと、市民に可愛がられています。

   Covid-19の時はマスクを着用していました。

   市民に大切にされています(^^)


○サンタ・マリア大聖堂

(Catedral de Santa María)

12世紀半ばにロマネスク様式の小さな教会兼要塞として建てられ、13世紀末から16世紀にかけてゴシック様式の大聖堂となりました。

 

見どころの1つは『3つのファサード』です。身廊(礼拝のための空間)と側廊(身廊の両サイドに設けられる空間)に呼応するように3つの扉が配置され、中央の扉には聖母マリア様の像があります。扉には受胎告知やキリスト降誕の様子が彫刻されており、芸術的にもとても重要なものとされています。

 

地下礼拝堂は博物館になっていて、大聖堂建築の歴史やビトリアの街の歴史を知ることができます。

 

2000年から始まった修復工事が一部でまだ続いており、見学は全てガイド付ツアーとなっています。


○フルニエル・トランプ博物館

(Museo Fournier de Naipes)

1870年、エラクリオ・フルニエルという人がビトリアに小さなトランプ工房を作りました。それが急速に発展し、ビトリアはトランプの産地として知られるようになりました。

 

フルニエル・トランプ博物館はエラクリオ氏の孫が創設した、世界でも数少ない、トランプに特化した博物館です。15世紀から現在に至るまでのトランプの歴史や進化の様子が分かり、様々なカードを見ているだけでもとても楽しめる博物館です。また、印刷に使用された機械もあり、製造方法についての展示も興味深いです。

 

↑トランプ博物館の入口

 


世界各地から20000点以上のトランプが集まっており、その中にはカードゲームの1つとして日本の百人一首や花札も展示されています。

○カサ・デル・コルドン(Casa del Cordón

15世紀に商人ペドロ・サンチェス・ビルバオの命により建てられました。商談や物販をする商家でありながら、星形のゴシック様式の天井をはじめ、全体的に豪華な造りとなっている珍しい建物で、カトリック両王が滞在するなど、要人の宿泊にも使用されていました。何度も改装がされているにも関わらず、13世紀から15世紀の建築構造の要素も残されており、建築学的にも貴重な建物です。

バルが多い通りにあるため、ついキョロキョロしながら歩くと入口を通り過ぎてしまいます。

 

←美しい天井。カトリック両王の紋章が中央に。

 

日本語を発見!「傘ぽん」と書いてあります(^^)→         


〈ビトリア その他のスポット〉

○マリア・インマクラダ大聖堂(Catedral de María Inmaculada)

1907年に建設が開始し、途中スペイン内戦を経るなど工事停止に見舞われながら、最終的に1969年に使用が開始しました。サンタ・マリア大聖堂に比べるとずっと新しいことから、「Catedral Nueva(新大聖堂)」とも呼ばれています。教会内は博物館になっています。

○フロリダ公園

(Parque de La Florida)

1820年に小さな庭から始まって今では約3.2ヘクタールの大きな公園となり、ビトリア市民の憩いの場となっています。2020年に200周年を迎えました。

毎年クリスマスシーズンにはこの公園に等身大の「ベレン」が飾られ、ビトリアの冬の風物詩となっています。

 

(参考:甲子園球場はスタンドから外周部分も含め約3.5ヘクタールです)

○アフリア・エネア

(Palacio Ajuria-Enea)

バスクの首長官邸として1980年から使用されています。元々は起業家であるSerafin Ajuria Urigoitiaという人の個人の家として1920年に建築されました。

1階には2つのアーチ型の入口、2階部分に紋章、そして最上階にはアーチ型の窓という、典型的なネオバスク様式で建築されています。

 


○美術館(Museo de Bellas Artes)

アフリア・エネアの近くにある美術館で、18世紀から20世紀のスペインの芸術や19世紀半ばから20世紀半ばのバスクの芸術が展示されています。特にバスク芸術ではバスクの生活を幅広く知ることができるような絵画も多く、とても興味深いものです。

建物はおよそ100年前に富裕層の家族の住居のために建てられたもので、とても豪華な外観です。内装も礼拝堂やステンドグラスが建築当時のまま残されていて、とても美しいです。

○武器博物館(Museo de Armería)

こちらの博物館では先史時代から20世紀初頭までの武器の歴史や進化を見ることができます。

また、1813年の『ビトリアの戦い』で使用された武器も保存されています。

 

ヨーロッパの武器や鎧だけではなく、アフリカやアジアのものもあり、日本の「侍の鎧兜」を詳しく説明した展示もあります。


〈カフェ〉

○VALOR

1881年創業のスペインの老舗チョコレートメーカー「VALOR」のカフェです。バスク地方では唯一、ここビトリアにあります。

 

温かい濃厚なチョコレートとチュロスでホッと一息。旅の疲れを癒すのにぴったりです。冷たいチョコレートドリンクもあり、年中お楽しみいただけます。

 

カミナンテ像の近くにあります。